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Everyday I Have The Blues

ビデオとネット時代の映画批評。。。なんてね (加筆版)

映画って観る人を選ぶものだと思います。
多くの人は自分のほうで “映画を選んでやってる”と思ってますけど。

わかりやすく作られているハリウッド映画。世界中がマーケットですから。
興行的な成功を収めるには幅広い観客層の動員を狙わなければならない。
当然ながら昔も今もハリウッドまんせーの人多いですよね。

誰が何を好きかなんて私の知ったこっちゃないです。でもそういうフィルターを通してそうでない映画を強引に批評するのはどんなものかと・・・・。

(自分にとって)「わかりづらい。」
(自分にとって)「後味が悪い。」
(自分にとって)「納得がいかない。」
(自分にとって)「テンポが悪い。」
(自分にとって)「退屈。」
(自分にとって)「暗い。」
『だから観る価値のない映画』と公言している人の何と多いこと。
「おいおい、待てよ。」って言いたくなることしばしば。

「頭の悪い奴は映画観るな。」なんて傲慢かつ短絡的なこと言いたいわけじゃないです。
観る人それぞれに得意な分野があって、その人の思考的な偏りもある。
何をどう語っているか(批評しているか)で、「この人、そもそもこういう映画得意じゃないんだろうな。」とか、「こういう思いをしたことない幸せな人なんだろうな。」とか、「こういう映画を批評するには若すぎるんじゃない?」って感じますもん。
つまりですね。底の浅さが見えてしまう批評は読む気がしないんですよ。
ビデオとネットの時代になってからますますこの手の批評が顕在化してしまいましたね。

過去の ある時期の世相を色濃く映し出している映画があったとします。(これは「西部劇だから開拓時代の世相」という意味ではなく、同じ西部劇でありながら時代によってスタイルの異なる映画が生まれてくる。それはそれらの映画が制作されたその時々の世相が作品に大きく投影されるから・・・という意味の『世相』です。)
その時代を体験していない世代が本から得た知識程度で「つまらん価値観」と斬って捨てようがアンタの自由ってなもんですが、
しょせんわからんものは「わからない。」と言ったほうが正直で、しかもその単純で正直な言葉こそが見事に深い時代批評と作品批評になっていると思うわけです。
本から得た知識なんぞではわからんのですよ。その映画を取り巻いていた時代の空気までは。
時代や文化の違いがそういう映画を作らせたんだってことを抜きにして過去の遺産を笑うとすれば、現代ハリウッド映画に相当頭をやられているんではないかと・・・・。

皮肉を言ったりけなすことであたかも批評眼があるかのように振舞ったり、自分が映画にいかに詳しいかを語りたいだけだったり、テクニックについてしか語らなかったり。。。。。まぁ色んな人が居ますけどね。
重箱の隅をつっつくような批評(突っ込み)をする人にとっちゃ、映画なんてしょせん作り事。既に観る前から、いや、それより以前にその人自身の人となりが白けてるんですね。
こういう人が感動する映画ってどんなものなんでしょう? いや、そもそも感動することなんて?
まぁ、感動って言葉に拒否感しか抱けないような、感動って言葉からある種のジャンルの映画しかイメージできないような、そういう人は何観たって・・・ですけど。

映画って観る人を選ぶものだと思います。
by junec1 | 2005-12-09 12:44 | 映画
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