長文になりそうなので何回かに分けて書くことに。
いわゆる全共闘世代。かつての学生運動に敗北した彼らの現在を猥雑さあふれる国際都市新宿を舞台に描いた作品。タイトルの響きから新宿で繰り広げられるバイオレンス・アクションと勘違いした方はおあいにく様。それらしき展開を見せはしますが、基本的にはそういう不真面目な映画じゃありません(笑)
原田芳雄演じる主人公が経営するスナック(あの新宿ゴールデン街)が時流に勝てず閉店することになる。その最後の夜、かつての同志が別れを惜しみ集まってくるのだが・・・・。
“あれはあれ” と過去と上手く折り合いをつけている者もいる。ノスタルジーと化し、多少の味付けを施しながら格好の自慢話にしている者もいる。現代の矛盾を口にしながら実は小市民的幸福を享受している者もいる。敗北による喪失感で破綻してしまった者もいる。
主人公はといえば、政治はおろか、ことさら不満めいたことなど語りはしない人物。
誰もがもうあの頃の彼らではない。
この店に香港マフィアに追われた香港女が逃げ込んでくる。
行きがかりで彼女を助けたことにより否応なしにヤクザ同士の抗争に巻き込まれていく主人公。
気が付いてみれば、彼の元に残ったのは女同志(桃井かおり)一人だけだった。
彼は闘う。
・・・・・時代は変わり皆幸せそうにしているが、あの頃俺たちが感じていた矛盾は本当に解決されたのか。何も変わっちゃいないじゃないか。・・・・・
どこぞに置いてきてしまった自分の過去に落とし前をつけなければならない。
この映画のテーマはここにこそあります。決して旧交を温め合う同窓会映画などではありません。
いわんや、Vシネマ調のハードボイルド・アクションでもありません。
という前提をお話した上で次回へ。
この映画をDVDにコピーしようとしたらコピー・ガードが付いていて無理でした。テープは耐久性に問題あり過ぎなため、単にバックアップを取りたいだけなんですけどね。